『あさが来た』原作はあるの? 原作じゃなくて原案?

『あさが来た』に原作はあるのかと思って、調べてみたんです。すると、あることはあったんですが、正確に言うと、原作ではなくて「原案」…。いったい、原作と原案は何が違うんでしょうか?


小説 土佐堀川とは?

『あさが来た』の原案は、『小説 土佐堀川』という作品です。幕末から明治にかけて活躍した、実在する人物である女性起業家・広岡浅子さんのの生涯を描いた小説で、古川智映子さんが執筆しています。

ところで、タイトルにもある土佐堀川という川の名前。土佐というからには高知県? と思われるかもしれませんが、違います。この川は淀川水系の支流の一つであり、大阪府を流れる川なんです。

なぜその川の名前がタイトルなのか? というと、広岡浅子さんが嫁いだのがこの川に沿って存在した加島屋という両替商だからです。要するに、物語の重要な舞台の一つというわけですね。

初版が出版されたのは1988年と少し古いので、手に入りにくいと思うかもしれませんが、実はそうでもありません。朝ドラの放送に合わせてなのか新装改訂版が2015年に出版されています。

【楽天ブックスならいつでも送料無料】
土佐堀川新装改訂版 [ 古川智映子 ]


原案が何かを説明するのは難しい…

さて、原作と原案の違いなのですが、これを易しく説明しようとしても、一筋縄ではいかないw かなり微妙な言葉のニュアンスの問題になってくるので、正確に区別するのは困難です。

ただ、一言でその違いを述べるとすれば、それは元になる作品への忠実度の違いだといっていいでしょう。つまり、原作と原案であれば、前者の方が元の作品に似ていて、後者の方が似ていない、となります。

似ていないというのは、すなわち設定等に改変があるということ。具体的には登場人物を増やしたり減らしたり、物語や設定を変えたり、そういう大幅な改変が行われる時、元の作品を原案と呼ぶことが多いようです。

『あさが来た』についても、このような類の変更点が多々あるようです。たとえば、登場する人物・企業・団体名には手が加えられます。よって、全体としてみればドラマはフィクションになると考えていいでしょうね。

  • 広岡浅子 → 白岡あさ
  • 加島銀行 → ?
  • 大同生命 → ?
  • 日本女子大学校 → ?

その方が面白くなるから、というのが制作者側の見込みだとは思いますがある意味博打ですよねw こういうのは、元の作品が好きな人からは「原作と全然違う!」と言って批判や批難を受けることも多いのが事実です。

小説ファンも含めて視聴者を楽しませることができるのか、脚本家は頭を悩ませていることでしょう。

なお、原作と原案との違いについてより詳細に知りたい場合は、こちらの文章が参考になります。話題になって、土屋アンナさんの舞台降板の件も実はこの区別が絡むややこしい問題だったんです。

「土屋アンナ騒動だけじゃない!」テレビ局もトラブルだらけ……“原作”と“原案”の違いって?(日刊サイゾー)